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2012/08/03
遺したものたちから
執筆者: hiromild (1:11 pm)
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これをよむと十和田湖畔に2体の女性が向き合っている 光太郎の彫刻を思い出します。 夫のように、私には文章を書く力はないから、 遺した資料の中から、詩を3つのせておきます。 読めば読むほど、最期の仕事を遣り遂げられず無念だっただろうと 辛くなるので、このあたりにして、よき人にお送りします。 裸形 智恵子の裸形をわたくしは恋ふ つつましくて満ちてゐて 星宿のやうに森厳で 山脈のやうに波うつて いつでもうすいミストがかかり、 その造形の瑪瑙質に 奥の知れないつやがあつた。 智恵子の裸形の背中の小さな黒子まで わたくしは意味ふかくおぼえてゐて、 今も記憶の歳月にみがかれた その全存在が明滅する。 わたくしの手でもう一度、 あの造形を生むことは 自然の定めた約束であり、 そのためにわたくしに肉類が与へられ、 そのためにわたくしに畑の野菜が与へられ、 米と小麦と牛酪とがゆるされる。 智恵子の裸形をこの世にのこして わたくしはやがて天然の素中に帰らう。 (昭和24年10月30日) |
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